※内容は個人的なことも含みますが、だいたいは一般論です。うちの嫁がどうとかいう話ではありません。IT業界あるあるネタ的に書いてるのであまり真に受けて怒らないでください。参考までに書くとうちの嫁はもともとプログラマなので論理的な話は強いはずだが、妊娠を機にまったく通じなくなった。
先日、ギークオフィス恵比寿のイベントで男女の脳の違いについてのイベントがあり、非常に参考になったのでそれを踏まえてこれからプロジェクトを始めようとする人たちに共有しておく。
まず結論を最初に書いておくと…
妻:SIer
夫:下請け
子:プロジェクト
の関係になる。まわりの子持ちに何人か確認したが、ほぼ例外なくこのパターンになっていた。この時点で背中に冷や汗が流れる人もいるだろうと思う。SIerから仕事をうけてプロジェクトをやると、どうなるかわかるな?(偏見に満ちてます)
このプロジェクトの傾向と対策を以下に述べていく。SIerと良好な関係を気づきながらプロジェクトをこなせる人は、それを嫁に適用すればほぼいいはずだ。
しかし残念ながらSIerからの仕事をうけて良好に終わった例をあまり聞かない。その多くはデスマーチになりがちだ。原因は明らかで、仕様書を書かない、仕様変更が多い、タスク管理できない、仕様が固まってないのでそもそも目標とするべきゴールがわからない。
心当たりがあるはずだ。それと同じなのが子供を産んだ後の嫁だといえばどれだけ絶望的な話かわかるだろう。
NHKスペシャルで今年に入ってから産後クライシスという、子供を産んだあとに豹変する女性についての特集が二度ほど放映された。子供を産んだ母親はホルモンの影響により母熊と化す。近寄るものは基本的に敵だ。通常ならそんな状態の母熊に近寄るのは自殺行為だと言えるが、夫婦という契約に縛られた下請けは逃げることができない。
女性は基本的に「気付けよ」思考なので、下請けが当然プロジェクトについて心得てるし、勝手に動いてくれて当たり前だと思ってる。最悪の禁句が
「どうしたらいい?」
で、下請けとしてプロジェクトを請けておきながらこのセリフを吐くと、こいつはダメだと思われるだけで何一つ進展しない。同じ進展しないなら
「気付けなくてごめん」
というのがいい。SIerとしては責任の所在を明らかにしたいので、とりあえず状況は何も変わらないが下請けが謝るとホッとするらしい。ただ、ほっとするけど、プロジェクトが遅れた分については、下請けがあくまで責任もって挽回しろよと思ってるだけで、デスマーチであることは何もかわりない。あくまで完璧に納品して「普通」なのが下請けの辛いところ。
それでは下請けとしてはどうすればいいか。いくつかの選択肢はある。
1.契約を結ぶ前に相手を見極める
プロジェクトをちゃんと一緒にできる相手かを見極める。仕様書はちゃんと書いてくれるか、仕様変更時は相談してくれるか、タスク管理はまかせられるのか。これは例えではない。ちゃんとそのようにやってくれる相手でないと、基本的にプロジェクトがスタートしたあとのコミュニケーション方法はなくなると思っていい。それができなければ「気付けよ」と思われるだけである。
2.プロジェクトが始まる前に相手のレベルを上げる
運悪く、プロジェクト管理ができない相手と契約を結んでしまった場合、プロジェクトがスタートする前に相手のレベルをあげておく必要がある。プロジェクトがはじまるまでは相手も余裕があるので、この期間に相手のレベルをあげられるよう日常的にタスク管理を徹底しよう。また「気付け」ではなくちゃんとミーティング、仕様書などを用いて意思を伝えてくれるようにしなければならない。
3.プロジェクトを開始しない
一部の長期間関係が良好なところはこのパターンが多い。プロジェクトさえなければ追い詰められる議題がそもそも存在しないので基本的に両者はただの飲み仲間のような良好な関係を維持できる。
4.プロジェクトから抜ける
一時的に周りの信頼を失ったりするが、デスマーチで心身ともにやられる前にこの方法を取る決断が必要なこともある。契約解除にともなう違約金は痛いかもしれないが、命あっての物種である。
上記のいずれかの選択肢を実行できれば、プロジェクトがデスマーチになるリスクを減らすことができるといえるだろう。しかしさらに絶望的な話が愛情曲線だ。プロジェクトは基本的に成人するまで続く。二人で20年ということは
20x12x2 = 480 人月
という二人でやるにはかなり困難であることがひと目でわかる工数になる。ある程度は外注したりすることもできるが、それでも中心メンバーとして、かなりの負荷を強いられる。それでもプロジェクトが成功するならと歯をくいしばって頑張る人も多いだろう。
しかし、その道はかなり険しいものと言わざるをえない。
下記のサイトを見てみるとわかるが、子供を産むと夫への愛情は仕事や趣味と同じレベルに下がり、その後十数年を経て元に戻っていく。怖いのは分岐したもう一方の線でずっとなだらかな下降線を描いてる。最初を間違えばずっと愛情は低下しつづけ定年離婚コースに進んでるぽいのが怖い…。そんなことは無いと言いたいところだけど、周囲の例を見る限り間違いとも言い切れず…。
www1.tokyo-womens-plaza.metro.tokyo.jp
以上を踏まえて、パートナーがいる人、これからプロジェクトを始めようとする人は細心の注意と最高の努力をもって準備してほしい。既にデスマーチの方は…お疲れさまです。お体大事にしてください。m(_ _)m
最後に、今回ギークオフィスのイベントで紹介された二冊の本を紹介しておく。前者は男性が読むべき本、後者は女性が読むべき本なのでプロジェクトをはじめる気がある人はPMBOKの本と共にプレゼントするといいかもしれない。