ギークハウス岩手三陸大船渡をつくった話
ギークハウス岩手三陸大船渡が10月からオープンしてる。地域おこしの一環として大船渡市と地元企業がやるところに協力を求められて面白そうだし是非やりましょうってことで何も考えずにOKだしたのが数カ月前。
大船渡市は、311の震災で被災し津波でいろんなものが流されてしまった場所。今もあちこちに爪あとが残るが、徐々に回復に向かってる。津波で流されてしまったせいで建物は新築が多く、そこかしこで工事をしてるものの街の印象はキレイな感じ。
そこにギークハウスを作るということで、とりあえず気になったのが2点。
・高速回線はあるのか?
・家はあるのか?
前者は問題なし。光が来ていて開通後に図ったところほぼ限界レベルのスピードが出ている。ついでに、ぷららの格安SIMを使っているので図ってみたら最高で3Mbpsのところ3Mbpsのスピードが100%でるという驚愕の結果がでた。新宿ではかると調子のいい時で1Mbps程度。ネット使う人が少ないところってすごい。
次の問題。家があるのか。家はない。津波で流されたので、新築はどんどんできてるけど、物理的に余ってる家などない状態。新しい家ができたら仮設住宅にまだ残っている方がすぐに入っていって空いてる家がない状態。どうするか?ってことで決まったのが、空いてる仮設住宅に入ってしまうというあまり例が無いことが実現してしまった。許可してくれた大船渡市と受け入れてくれた仮設住宅の方に感謝。
仮設住宅ってことで現地の人は「それでもよければ…」という状態だったんだけど、こっちからすると被災してないのに仮設住宅に入る機会なんてほぼ無いし、これはよい機会だと思ったので即決。仮設住宅にギークハウスを作ることになった。
部屋を見せてもらったら、キッチンは二口でコンロあるし、大きいのは3LDK、小さいのは1LDK、風呂はユニットバスだけど追い焚きもついてるし、トイレは別。窓は二重で断熱性もいいし、エアコンもついてる。そしてネットは光が引けるってことで、これ以上求めるものは特にない状態。
新しくてキレイだし、ただ冬が寒いかもねってことだったので、とりあえずそれをなんとかしようと、最近ギークハウス新宿とかでやってる簡易コタツ(ビールケースの上に板を置くだけ。片付けるのも楽だし、大人数で机が必要になったら出せる)に布を被せれば大きいコタツできるんじゃね?ってことでやろうとしたら、どうせなら掘りごたつにしようってことで、ホームセンターで発泡スチロールの箱を買ってきて、その上に元からあった畳(安いものらしく軽いのが幸いした)を敷いて真ん中に机をおいて完成。冬は下のテーブルに布団かぶせようとしてたら、寿限無亭のスーパーギーク佐藤さんがコタツ机を作ってくれたので、それに変更していつでも麻雀ができる状態になった。
とりあえずギークハウスとして使っていい仮設の部屋を3軒ほど割り当ててもらったので、そのうちの1軒をリビングとして使うことにして、ネットをひいて使いたかったらそこに集まる形。残りの家は寝るだけ。たくさん寝れるので、何人きても大丈夫な感じ。
仮設はだいぶ空きが増えてきたようで、家族とかで住みたい人いたら1軒まるまる貸したりできるので興味ある人はご相談ください。
サンマ漁船が帰ってきたところ
大船渡は港があって大船渡市魚市場がある。市場の中では食堂があって、米、つけもの、味噌汁、サラダが無料という他に何を頼まなくてもよさそうな振る舞いっぷり(何か頼まないとダメだけど)。魚市場自体も震災後に完成したのでかなりキレイ。
買い物は車がないと不便だけど、大船渡では斜め上の便利さをいくサービスがあった。AEONの移動販売車が定期的にやってくる。(この写真の奥のトラックもソレ)イオンにいかなくてもイオンからやってくるのはかなり便利。仮設住宅にはお年寄りも多いせいかこんなサービスがあるらしい。
田舎…といっても市だしそこそこなんでもあるんだけど、自然はやっぱり豊かで、徒歩圏内で海釣りもできるし、ちょっと山に入れば鹿もでる。たまに熊もでるらしい。鹿は毎晩ほぼ必ず見られるので、鹿ウォッチングしたい人は22時すぎてからくらいで山に車でいくと10回くらい遭遇できる。鹿も車に慣れてるようで逃げようともしないので、ナイトサファリを楽しみたい人はいいかも。鹿の他にはタヌキとかイタチ?とか。熊はまだ見たこと無い。
ギークハウスがあるのは三陸町越喜来(おきらい)というところ。住民募集中(家賃は1万円光熱費5,000円)で、短期滞在も歓迎(一泊1,000円)なのでよかったら是非どうぞ。
伝えたいことはまだあるんだけど、長くなってきたので、今回はこれくらいで。次回は瓦礫で↓のものを作った和一良さんとか、自分でなんでも作るスーパーギーク佐藤さんの話とか書きたい。