tokisabaのブログ

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IT屋として教育をプロジェクトとして考える

この投稿は 教育 Advent Calendar 2016

www.adventar.org

の14日目です。今日は22日です。


プロジェクト管理手法の一つにPMBOKというものがあります。
その中でプロジェクトの定義があり


「プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する有期性のある業務」とされている。つまり、会社などの通常業務や、継続的な運用管理、あるいは改善活動などは、特に開始と終了が定義されていないので、「プロジェクト」とは呼ばない。ただし、特定の期限までに特定の建築を行う、製品を開発する、システムを構築する、などは個々のプロジェクトになりうる。


と定められています。ビルを作る、祭りを計画する、合コンをするなどはプロジェクトといえます。
一方、工場で大量生産するのはプロジェクトとはいえません。


学校は、生徒からすれば一度だけの人生、一度だけの1年を毎年繰り返していく場所で、その点ではプロジェクトといえます。
学校からみると毎年大量に送り込まれてくる人間を加工して送り出していくという点で、プロジェクトとは言えないかもしれません。
政府からすると、学校の顔すら見えない人達を扱うという点で完全にプロジェクトではなくなってます。テストで品質を図り、不良品率を下げていくなど工場に近いと言えそうです。

 

プロジェクトの進め方ですが、よく使われる手法にウォーターフォール型というのがあります。ウォーターフォールが滝を意味するように、途中で後戻りせずに最初に決まったやり方を最後まで貫くやり方です。これも工場でよく使われる手法です。ベルトコンベアに並べられた製品が徐々に加工され、不良品は取り除かれ一定の基準を満たしたものが市場に送り出されます。
学校という空間でも、日本の場合は基本的に留年がなく、小学校であれば6年、中学校であれば3年在籍すると卒業になるという点で、ウォーターフォール型に近いでしょう。違うのは不良品が取り除かれず、基準を満たさなくても市場に送り込まれてしまう点です。


一方で最近のWebシステムの開発でよく使われる手法にアジャイル型と呼ばれる方法があります。ウォーターフォール型と違い、プロジェクトの期間を幾つかに分けて、定期的に見直して修正をしていきます。プロジェクトの期間は有限なことが多いので、期間が終わるまで繰り返し、期間満了日ものが完成品になります。Webのシステム開発では今までに誰も作ったことがないものを作るので、最初にゴールが見えづらくそのためにこういった手法が取り入れられています。
学校でいくと、大学がそれに近いかたちでしょうか。単位性で半期ごとにテストをして駄目なら単位を落としてやり直します。


私が学生の教育に関わっていたのは、自分が学生だった頃と、大学で塾の講師をバイトでやっていたときで、今から20年近く前になるので、あるいは今は修正されているかもしれませんが、中学生で九九ができない生徒に数学の授業を教えるということに意味のなさを感じていました。当の生徒にしても、計算ができないまま小学校2年から中学3年が終わる7年間、無意味な雑音を聞く生活を強いられていて何をしているのかが疑問でしたが、高校になってはじめて進捗度合いに応じてレベル分けされ、その中で、九九をやる学校にいくと、そこではじめて学習の楽しさを知るようになる子もいて、彼らの7年間を放置していた学校なんていらないんじゃないかと思ってしまいますが、小学校2年の段階でそれをやっていれば、もっといい人生になるのに何十年も対応しない日本の教育とはなんなのかをしばしば考えています。

7年間も意味不明な時間を過ごさせるとか耐えきれない子は学校にいかなくなり、学校にいかなくなると社会から批判され、攻撃を割けるために団結して不良のような集団になるか、引きこもりになっていっている印象です。対策は難しいものではなく、

「行き詰ったところをやりなおす」

の一点のみです。この簡単な課題をいつか日本の教育が克服できることを願ってやみません。

 

明日は桑田湧也さんです。