「子ども」というプロジェクトが始まる前に知っておかなければならないこと
※内容は個人的なことも含みますが、だいたいは一般論です。うちの嫁がどうとかいう話ではありません。IT業界あるあるネタ的に書いてるのであまり真に受けて怒らないでください。参考までに書くとうちの嫁はもともとプログラマなので論理的な話は強いはずだが、妊娠を機にまったく通じなくなった。
先日、ギークオフィス恵比寿のイベントで男女の脳の違いについてのイベントがあり、非常に参考になったのでそれを踏まえてこれからプロジェクトを始めようとする人たちに共有しておく。
まず結論を最初に書いておくと…
妻:SIer
夫:下請け
子:プロジェクト
の関係になる。まわりの子持ちに何人か確認したが、ほぼ例外なくこのパターンになっていた。この時点で背中に冷や汗が流れる人もいるだろうと思う。SIerから仕事をうけてプロジェクトをやると、どうなるかわかるな?(偏見に満ちてます)
このプロジェクトの傾向と対策を以下に述べていく。SIerと良好な関係を気づきながらプロジェクトをこなせる人は、それを嫁に適用すればほぼいいはずだ。
しかし残念ながらSIerからの仕事をうけて良好に終わった例をあまり聞かない。その多くはデスマーチになりがちだ。原因は明らかで、仕様書を書かない、仕様変更が多い、タスク管理できない、仕様が固まってないのでそもそも目標とするべきゴールがわからない。
心当たりがあるはずだ。それと同じなのが子供を産んだ後の嫁だといえばどれだけ絶望的な話かわかるだろう。
NHKスペシャルで今年に入ってから産後クライシスという、子供を産んだあとに豹変する女性についての特集が二度ほど放映された。子供を産んだ母親はホルモンの影響により母熊と化す。近寄るものは基本的に敵だ。通常ならそんな状態の母熊に近寄るのは自殺行為だと言えるが、夫婦という契約に縛られた下請けは逃げることができない。
女性は基本的に「気付けよ」思考なので、下請けが当然プロジェクトについて心得てるし、勝手に動いてくれて当たり前だと思ってる。最悪の禁句が
「どうしたらいい?」
で、下請けとしてプロジェクトを請けておきながらこのセリフを吐くと、こいつはダメだと思われるだけで何一つ進展しない。同じ進展しないなら
「気付けなくてごめん」
というのがいい。SIerとしては責任の所在を明らかにしたいので、とりあえず状況は何も変わらないが下請けが謝るとホッとするらしい。ただ、ほっとするけど、プロジェクトが遅れた分については、下請けがあくまで責任もって挽回しろよと思ってるだけで、デスマーチであることは何もかわりない。あくまで完璧に納品して「普通」なのが下請けの辛いところ。
それでは下請けとしてはどうすればいいか。いくつかの選択肢はある。
1.契約を結ぶ前に相手を見極める
プロジェクトをちゃんと一緒にできる相手かを見極める。仕様書はちゃんと書いてくれるか、仕様変更時は相談してくれるか、タスク管理はまかせられるのか。これは例えではない。ちゃんとそのようにやってくれる相手でないと、基本的にプロジェクトがスタートしたあとのコミュニケーション方法はなくなると思っていい。それができなければ「気付けよ」と思われるだけである。
2.プロジェクトが始まる前に相手のレベルを上げる
運悪く、プロジェクト管理ができない相手と契約を結んでしまった場合、プロジェクトがスタートする前に相手のレベルをあげておく必要がある。プロジェクトがはじまるまでは相手も余裕があるので、この期間に相手のレベルをあげられるよう日常的にタスク管理を徹底しよう。また「気付け」ではなくちゃんとミーティング、仕様書などを用いて意思を伝えてくれるようにしなければならない。
3.プロジェクトを開始しない
一部の長期間関係が良好なところはこのパターンが多い。プロジェクトさえなければ追い詰められる議題がそもそも存在しないので基本的に両者はただの飲み仲間のような良好な関係を維持できる。
4.プロジェクトから抜ける
一時的に周りの信頼を失ったりするが、デスマーチで心身ともにやられる前にこの方法を取る決断が必要なこともある。契約解除にともなう違約金は痛いかもしれないが、命あっての物種である。
上記のいずれかの選択肢を実行できれば、プロジェクトがデスマーチになるリスクを減らすことができるといえるだろう。しかしさらに絶望的な話が愛情曲線だ。プロジェクトは基本的に成人するまで続く。二人で20年ということは
20x12x2 = 480 人月
という二人でやるにはかなり困難であることがひと目でわかる工数になる。ある程度は外注したりすることもできるが、それでも中心メンバーとして、かなりの負荷を強いられる。それでもプロジェクトが成功するならと歯をくいしばって頑張る人も多いだろう。
しかし、その道はかなり険しいものと言わざるをえない。
下記のサイトを見てみるとわかるが、子供を産むと夫への愛情は仕事や趣味と同じレベルに下がり、その後十数年を経て元に戻っていく。怖いのは分岐したもう一方の線でずっとなだらかな下降線を描いてる。最初を間違えばずっと愛情は低下しつづけ定年離婚コースに進んでるぽいのが怖い…。そんなことは無いと言いたいところだけど、周囲の例を見る限り間違いとも言い切れず…。
www1.tokyo-womens-plaza.metro.tokyo.jp
以上を踏まえて、パートナーがいる人、これからプロジェクトを始めようとする人は細心の注意と最高の努力をもって準備してほしい。既にデスマーチの方は…お疲れさまです。お体大事にしてください。m(_ _)m
最後に、今回ギークオフィスのイベントで紹介された二冊の本を紹介しておく。前者は男性が読むべき本、後者は女性が読むべき本なのでプロジェクトをはじめる気がある人はPMBOKの本と共にプレゼントするといいかもしれない。
キレる女懲りない男―男と女の脳科学 (ちくま新書) 新書 – 2012/12
カツ婚! 愛で勝つ!篇 (ワイドKC Kiss) コミック – 2013/11/13
チェンマイのMakerClubにいってきた
最近、海外にいくと現地のHackerSpaceを探して見学に行ってる。今までだと、台湾、シンガポール、マレーシアのジョホールバル。東京にもある。今回はチームラボの高須さんの記事を見てチェンマイのMakerClubに行ってきた。
当日は、チェンマイのビックカメラ的な電気屋ビルPantipPlazaに見に行ってそのままいったんだけど、大したことないかと思って歩いて行ったら結構かかってしまった。
場所はGoogleMapで検索したらでてくるので、そちらで見てもらうとして。
内部はこんな感じ。4階建てのビルの2階を利用して7人程度がいろんなものを開発していた。電子工作主体で、気さくにいろいろ案内してもらった。英語の勉強にもなるからいいらしい。ポジティブ。
ビルのオーナーがスポンサーしてるとかで、家賃は無料みたい。その代わりにルールを一つだけ決めていてそれが
「情報をシェアすること」
らしい。いろんなものを開発しているけど、それらの情報をシェアすることで更に発展するのを目指してるらしい。その情報はWebでも公開されている。
部屋の中に一番多かったのがドローン。残骸とかも含めて20台くらいあったんじゃないだろうか。WiFiモジュールを付けてスマホで操作できるようにしてるとのこと。パーツは作れるものはほぼ全て3Dプリンターなどを使って作っていて、電子パーツなどはネットで購入するとのこと。
最初はコントローラーも作ってたけど、金もかかるしだいたいみんなスマホもってるあからコントローラーはアプリにしたらしい。
※棚の脇にスイッチがみえるが、これもハックして室内の電気系統を世界中どこからでも操作できるようにしてるらしい。
メンバーは8名くらいいたkど、いくつかのプロジェクトが進んでいて、休みにもかかわらず精力的に活動していた。
WiFI経由でドローンを操作するためのコントローラー。
右上のPCの横にある2輪のラジコン。バランスセンサーを使って、立って走る。
野菜の自動栽培の研究中。
自作の電動自動車。紙に穴をあけるパンチ、ドアの蝶番、事務用の椅子などを組み合わせて作られてた。バッテリーだけで1時間くらい走行できるらしい。のせてもらったけど、結構快適に走れておもしろかった。
以上のような感じで、すっかりテンションをあげられて帰ってきた。ギークハウス神田秋葉原跡地にHackerSpaceを作ろうと思ってるけど、ここに負けないように盛り上げたいところ。ソフトも楽しいけど、ハードもいい。
※最後に。相手は英語が堪能だが、自分は堪能ではないので、あまり記事の正確性に関しては期待しないように。自分で行ってみてください(^^;
ときさば流ギークハウスの作り方
※ギークハウス新宿のリビング
ギークハウスは基本的にはオープンソース的なものなので、やりたい人が好きにやればいいので、自分はどういう基準で作ってるかってことで。
目的:なるべくいろんな価値観を持った人が集まれるように。ただし人に迷惑はかけない方向で。しかし他人の価値観も受け入れる方向であってほしい。
物件:広いリビングが必須。6畳とか8畳くらいのリビングはワンルームの部屋でも作れるけど12畳以上になると、ワンルームで借りるにはなかなか難しくなってくるので特別感がでてくるし、一人暮らしの狭い部屋のような閉塞感がないのでメリットに感じられる。
部屋:3LDK以上。基本はLDKにみんなが集まれるように前述のとおりの広めのリビング。
二部屋はドミトリー。ドミトリーを作るのはリビングに人を集めるため。個室だと、リビングに行く必要がないし、個室のみのシェアハウスでリビングに行くとかまって欲しい感じがしたりするので。ドミトリーしかなければ何かをするときは必然的にリビングにいくので、交流しやすい。けど個室のギークハウスを作ると基本的にすぐ埋まるっぽいので商売的に考えるなら個室のほうがいいみたい。楽しさならドミトリー。ドミトリーはいびきやら、生活時間のズレとか他人への気遣いとかでしばしば問題が起こる。個室はブラックボックスになりがちなので、問題があってもきづけないところが少し怖い。あと、個室は空きが出ると家賃に与えるダメージがでかいのもデメリットかな。
個人的にはリビングを二部屋以上できれば8人以上にするのがいい。5人以下の集団で、もめごとが起こると気まずい雰囲気が続くけど、8人いればどこかで揉め事起こっても他の人と交流できて修復できる。1:7になる場合は修復難しそうだけど、そこまで極端に割れるときは1になった人がかなり問題なので、仕方ないかなと。100%なんてどうやっても無理だし。
一部屋はモクモク部屋。作業に集中したいときもあるからそのときはモクモク部屋にこもる。もくもく部屋は黙々と作業する部屋の意味。作業部屋。
上記のものを準備した上で部屋があまるなら個室作ってもいいと思う。4LDK以上の物件なので、都内にはそもそもあまり存在しない。
※ギークハウス新宿のドミトリー
駐車場:都内だとみんな自転車持ちたがるので自転車がおけるほうがいい。ただ、都内は自転車すらおけない物件が結構多い。
ご近所:基本的には住んでみないとわからない。23時以降は静かにするとかルール作っても、酒が入ったりすると制御難しいので寛容な人が近所だといいんだけど。前回住んでた人がご近所トラブルなかったか確認くらいするといいかも。
アクセス:駅から10分以内がいい。これより離れると遊びに行くのがダルい。
トイレ:2つ以上ほしい。
風呂:2つ以上欲しいけど日本はめったにそういう家が存在しない。
物件:高級物件はやめといたほうがいい。いろいろメンテに金かかるし、シェアハウスだとどうしても利用が下手な人が存在するので。
不動産屋:基本的にシェアハウスは嫌がられるので根気よく多数回るしかない。ネットでもさがせるけどいい物件はネットにでないので結局自分で探すしかない。DQN系不動産屋はすぐ嘘ついて借りることを勧めてくるが、奴らは仲介手数料さえとればあとはドロンなので無視したほうがいい。若い従業員が多いキラキラ系みたいなところは話聞くのもやめといたほうがいい。
ルール:あまり明文化したルールを作ると、ルール厨が発生して、住みづらくなるので、基本的には堅いルールは極力減らす方向で。ルールに管理された生活はあまりしたくない。あと、ルールの抜け穴をうまく利用されてめんどくさいのもある。
※ギークハウス新宿のリビングの本棚
利益:基本的にはあまり儲からないと思う。あと管理人として自分が常駐できないならやらないほうがいいかも。人任せの管理が難しい。自分が出入りする気がない場所は他人も出入りしたくないし。
家賃:周辺の相場よりちょい高い目くらいがいいと思ってる。近所の6畳部屋のワンルームと同じくらいの価格がドミトリーで適切価格かなと。共有スペースを広めにとるとそれくらいの価格にしないと赤字になる。あまり儲かるようならいろんな設備を充実させるといいかと。まぁ基本的には儲からないと思うけど。
近所付き合い:してるところもあるけど、うちはしてない。やり方もよく分かってない。近隣ギークハウスとの付き合いはあったほうが楽しいので、遊びに行ったりするといい。近隣じゃなくてもつながってたほうが楽しいし。Facebookにグループがあるのでそこでつながったりしてる。
設備:ガス乾燥機があると30分くらいで乾くのでいい感じ。ガス栓は湯沸し器のところとかに増設してもらうと工事費安い。乾燥機付き洗濯機とか、電気の乾燥機は感想までの時間が長すぎてオススメしない(2016/08/25追記)
イベント:のみくいでも、勉強会でも、旅行でも適当にやるといいと思う。イベントやらないと中の雰囲気が外にわからないので住民が集まりにくいと思ってる。オープンイベントをたくさんやってるとリア充だと揶揄されることがある。
とりあえず、ぱっと思いつくのはこれくらい。質問とかあれば適当に @tokisaba 宛とかにどうぞ。
追記:複数軒やってるけど2軒くらいまでにしといたほうがいいかも。目が届かなくなるので誰得な状態になる気がする。1軒あたりを大きくしていくほうが基本的にはよさげ。
追記2:ペットがいるといいです。ペット物件になると敷金が1ヶ月増しとかになるのでシェアハウスみたいなでかい物件だと結構な金額になりますが。
ただペットはアレルギーの人がこれなくなるので、すさまじいメリットはあるけど、若干のデメリットがあると言える。世話デキる人がいないとストレスためちゃうけど。※ギークハウス新宿2のモカ様
Facebookのメッセージフィルタリング機能に注意…
Facebookのバグにやられた…orz
メッセージ送ってるはず…と1週間くらい前に言われ、確認するも来てなかったのでまだかなと思っていたが、こちらから確認メッセージ送ろうとして開いたら来てた…orz
何度も確認したし「メッセージ・リクエスト」も来てなかったし、「未読」にもでないし「フィルタ済み」はずっと読み込みで何もでないし…(4)ってついてるけど…メッセージ・リクエストの数と前は同じだったのに変わってる…。
こんな感じ。で、見る方法ないかと思ってググってみたら
こんなサイトでてきたので見てみたらアプリでみれるぽい…がスクショ通りのページにいっても表示無し。バージョン違いかと思ってみてみたけど最新版だった。
その後何やっても出ないのでアプリ再インストールでもしてみようかと思いついた時に一旦アプリを再起動してみようと、強制終了させて表示したら
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!。
12月から4件のメッセージが溜まってる。とりあえず承認にしたらブラウザでも表示できた。フィルタ済みのところはあいかわらず読込中のまま何もでないけど。
140字で伝えるの難しかったのでブログにしてみた。皆様ご注意を。
※環境
Macbook ProでChromeとsafari , iPhone6s は公式アプリで試した。
ギークハウス岩手三陸大船渡をつくった話
ギークハウス岩手三陸大船渡が10月からオープンしてる。地域おこしの一環として大船渡市と地元企業がやるところに協力を求められて面白そうだし是非やりましょうってことで何も考えずにOKだしたのが数カ月前。
大船渡市は、311の震災で被災し津波でいろんなものが流されてしまった場所。今もあちこちに爪あとが残るが、徐々に回復に向かってる。津波で流されてしまったせいで建物は新築が多く、そこかしこで工事をしてるものの街の印象はキレイな感じ。
そこにギークハウスを作るということで、とりあえず気になったのが2点。
・高速回線はあるのか?
・家はあるのか?
前者は問題なし。光が来ていて開通後に図ったところほぼ限界レベルのスピードが出ている。ついでに、ぷららの格安SIMを使っているので図ってみたら最高で3Mbpsのところ3Mbpsのスピードが100%でるという驚愕の結果がでた。新宿ではかると調子のいい時で1Mbps程度。ネット使う人が少ないところってすごい。
次の問題。家があるのか。家はない。津波で流されたので、新築はどんどんできてるけど、物理的に余ってる家などない状態。新しい家ができたら仮設住宅にまだ残っている方がすぐに入っていって空いてる家がない状態。どうするか?ってことで決まったのが、空いてる仮設住宅に入ってしまうというあまり例が無いことが実現してしまった。許可してくれた大船渡市と受け入れてくれた仮設住宅の方に感謝。
仮設住宅ってことで現地の人は「それでもよければ…」という状態だったんだけど、こっちからすると被災してないのに仮設住宅に入る機会なんてほぼ無いし、これはよい機会だと思ったので即決。仮設住宅にギークハウスを作ることになった。
部屋を見せてもらったら、キッチンは二口でコンロあるし、大きいのは3LDK、小さいのは1LDK、風呂はユニットバスだけど追い焚きもついてるし、トイレは別。窓は二重で断熱性もいいし、エアコンもついてる。そしてネットは光が引けるってことで、これ以上求めるものは特にない状態。
新しくてキレイだし、ただ冬が寒いかもねってことだったので、とりあえずそれをなんとかしようと、最近ギークハウス新宿とかでやってる簡易コタツ(ビールケースの上に板を置くだけ。片付けるのも楽だし、大人数で机が必要になったら出せる)に布を被せれば大きいコタツできるんじゃね?ってことでやろうとしたら、どうせなら掘りごたつにしようってことで、ホームセンターで発泡スチロールの箱を買ってきて、その上に元からあった畳(安いものらしく軽いのが幸いした)を敷いて真ん中に机をおいて完成。冬は下のテーブルに布団かぶせようとしてたら、寿限無亭のスーパーギーク佐藤さんがコタツ机を作ってくれたので、それに変更していつでも麻雀ができる状態になった。
とりあえずギークハウスとして使っていい仮設の部屋を3軒ほど割り当ててもらったので、そのうちの1軒をリビングとして使うことにして、ネットをひいて使いたかったらそこに集まる形。残りの家は寝るだけ。たくさん寝れるので、何人きても大丈夫な感じ。
仮設はだいぶ空きが増えてきたようで、家族とかで住みたい人いたら1軒まるまる貸したりできるので興味ある人はご相談ください。
サンマ漁船が帰ってきたところ
大船渡は港があって大船渡市魚市場がある。市場の中では食堂があって、米、つけもの、味噌汁、サラダが無料という他に何を頼まなくてもよさそうな振る舞いっぷり(何か頼まないとダメだけど)。魚市場自体も震災後に完成したのでかなりキレイ。
買い物は車がないと不便だけど、大船渡では斜め上の便利さをいくサービスがあった。AEONの移動販売車が定期的にやってくる。(この写真の奥のトラックもソレ)イオンにいかなくてもイオンからやってくるのはかなり便利。仮設住宅にはお年寄りも多いせいかこんなサービスがあるらしい。
田舎…といっても市だしそこそこなんでもあるんだけど、自然はやっぱり豊かで、徒歩圏内で海釣りもできるし、ちょっと山に入れば鹿もでる。たまに熊もでるらしい。鹿は毎晩ほぼ必ず見られるので、鹿ウォッチングしたい人は22時すぎてからくらいで山に車でいくと10回くらい遭遇できる。鹿も車に慣れてるようで逃げようともしないので、ナイトサファリを楽しみたい人はいいかも。鹿の他にはタヌキとかイタチ?とか。熊はまだ見たこと無い。
ギークハウスがあるのは三陸町越喜来(おきらい)というところ。住民募集中(家賃は1万円光熱費5,000円)で、短期滞在も歓迎(一泊1,000円)なのでよかったら是非どうぞ。
伝えたいことはまだあるんだけど、長くなってきたので、今回はこれくらいで。次回は瓦礫で↓のものを作った和一良さんとか、自分でなんでも作るスーパーギーク佐藤さんの話とか書きたい。
日本の地方をつなぐ巡回バスとギークハウス構想
最近、地方ギークハウスがかなり増えてる。
長くやってるところだと
・ギークハウス新潟
比較的最近できたところ
・ギークハウス大阪池田
・ギークハウス所沢
・ギークハウスつくば
・ギークハウス岡山
・ギークハウス岩手三陸大船渡
・ギークハウス信州王滝村
・ギークハウス夕張(クラウドファンディング中)
・ギークハウス沖縄(Rebuild予定)
こんな感じで、ここ1年でかなり増えてきてる。地方と言っても京都や大阪は都会だし、新潟や岡山も県庁所在地で結構都会だ。
一方、所沢、大船渡、王滝村、夕張なんかは結構な田舎。過疎化が進行しているところもある。人が減るとみんな自信をなくすのか、自分が住んでる地域だったり、過疎ってる地域のことを表現するときにネガティブな表現が多い。取材をうけてもたいてい
「何故、”こんなところ”にギークハウスを作ろうと思ったのですか?」
とかいう言葉をよく聞く。自分にとっては
「過疎ってる=フロンティアに戻る」
という感じで、東京に比べて自由度が高くなるし、可能性がどんどん上がっている最中に見えてるので、「何故?」と聞かれても
「楽しいことができそうだから」
という答えになるのだが、地方をネガティブに捉えてる人から見ると意味が理解できないらしい。
日本はすごい国で、最近はかなりの田舎にいっても光ファイバーを始めとした高速インターネットが使える環境がある。昔から情報の格差がそのままビジネスの成否に繋がるのが普通だが、インターネットを使えば世界の最先端の情報に触れられるので、もっともネックだった情報格差を克服しつつある。
都会にいても引きこもって作業したりする人は多いし、サラリーマンも家畜以下の環境で輸送されて会社に運ばれ、日が暮れるまで作業して家に戻ったら寝るだけ。自分も新宿駅まで徒歩10分以内の距離に住んでるけど、買い物に行くわけでもなく、映画を見に行くわけでもなく、近くのコンビニにいくくらい。これらは別に東京じゃなくていいし、東京じゃないほうが環境がいい。
東京の良い所は、他所から来た人が入りやすいのと、選択肢が多いところ。1000人に一人の趣味でも1万人ほどの同志がいるし、何かとマイノリティにとっては居心地がいい部分が多い。一方、人が集まりすぎているせいで、自由度が低い。自転車を止めておけば張り紙をされるし、ペットが死んでも埋める土は無いし、少しイレギュラーなことをするとすぐに通報されてしまう。たくさんの人が住んでるから当たり障りないところを目指してルールが整備されている。
以上のような理由で東京が一番いいわけでもないし、地方のデメリットは克服されつつあるし、イケダハヤトも高知に行っちゃってるし、気づく人はそろそろ田舎の可能性に気づきつつあるんじゃないか。
そんなわけで田舎のギークハウスを作ったりしているけど、もっともネックになるのが移動にかかる費用。1万円で台湾に行ける時代だが、日本の地方に行くには1万円で足りないことはよくある。LCCの普及で、北海道や沖縄なんて片道5000円程度でいけてしまうが、LCCが飛んでないところは片道1万円ではとても足りない。ここが地方が抱える深刻な問題。これをなんとかしないと安く移動できるところに人をとられてしまう。
解決策としてはいくつかあるけど、理想を言えば
・LCCの飛ぶ先が増える
ことなのだが、赤字路線で飛び続けるのは難しいし無駄遣いするなら他の案…ということで
・巡回バス
ができればいいなと思っている。今でも高速バスは走っているけど、これをできれば無料化したい車は高速道路さえ走らなければかなり安価で移動できるし、東京ー青森で700キロくらい。大型バスが1リットル3キロ位走るのでガソリン代が
700/3*130 = 30000円
くらい。乗員数が45名くらいなのでガソリン代だけなら一人600円。バスの運転手の年収が450万くらいなので1日2万くらい。700キロで二人運転手必要とすると+40000円なので一人あたり1500円くらい。人件費はあと何年か立てば自動運転になって必要無くなるはず…。
そしてバスの車両とかメンテナンス費用とかの一番大きいところは地方自治体に任せたい。だいたいの地方自治体は赤字でほとんど人が載ってないバスを自治体内で走らせているので、それをもう少し有効活用することで行けないだろうか。青森までざっと数えても30程度の自治体を横断するのでそれらで分担すればたいした費用ではないし、毎日でなくても、日本中を巡回するバスが何本かあれば、それが来るタイミングで東京にいったり地方に戻ったりできる。地方にはギークハウスがあれば、泊まることができるから、東京で疲れてしまった人はしばらく滞在すればいいし、インターネットがあればある程度の仕事もできる。効率が悪くなるという人もいるけど、効率が悪くなるということは疲れも減るし、ストレスも減るので療養と考えれば悪いことでもない。
ネット経由での仕事に慣れればむしろ集中しやすい分、地方にいたほうが効率はあがる。自分も毎年春になると花粉疎開にでかけるがネットが快適に使えるところだと仕事ができてしまうので全然暇にならない…。
最初からバスじゃなくてもワゴンとか、うちで使ってるシエンタ(7人乗り)とかでもいいかなと思ってる。とか思ってたら、最近知り合った人が面白いことしようとしてるので紹介しとく。
House Caravan 出発前夜祭!!!!!!!!!!!!!!! | Facebook
まさに全国行脚するらしい。こういう人が増えると楽しいし、水戸黄門とか八十八ヶ所巡礼、徒然草の坊さんみたいに日々旅を住処とする人が増えて、都市と田舎を繋いでくれると日本はよくなりそう。
もう一つ、こんな集団もいるらしい。こういうのもいいね。
そんなわけで、最近地方にいくと、空き家探しばかりしてたけど、役所を回ってこういう話にのってくれるところを地道に探してみようと少し考えてる。
追記:全部が東京発じゃなくても地方都市を結んでいくだけでいいと思ってる。そのためにも最低限でも全ての政令指定都市にギークハウスが欲しい…。
ギークハウスを3年で10軒作った話
この記事はギークハウス Advent Calendar 2015の2日目です。せっかくだからコレを機にブログ再開しよう。
ギークハウスを最初に始めたのが3年前の9月。そこから今までに10軒のギークハウスを運営して関連施設を作ったりしてる。
ギークハウス新宿の本棚
2012年09月 ギークハウス恵比寿 → 1年後、閉鎖
2013年08月 ギークハウス新宿
2013年10月 ギークハウス新宿2
2013年10月 ギークハウス神田秋葉原→ 2年で閉鎖。2階スペースのみギークオフィスとして残ってる。
2014年09月 ギークハウス品川
2014年10月 ギークハウスJB@マレーシア →1年契約の後、閉鎖
2014年12月 ギークハウス国分寺 → 半年くらいで閉鎖
2015年01月 ギークハウス高円寺 → 管理を引き継ぐ
2015年10月 ギークハウス岩手三陸大船渡
2015年11月 ギークハウス信州王滝
2015年09月 ギークバー新宿
2014年02月 ギークラボ長野 ← お手伝い
ということで、並べてみると我ながら沢山運営してる。閉鎖したのが4軒。
閉鎖理由はマレーシアを除けば大家さんとの不和が原因。特に悪いことはしてないけど、年配の人からは理解しづらいので距離が近いほどいろいろ不安になるっぽい?退去日に不動産屋から「またここ借りてくれますか?」という手遅れ甚だしいオファーをもらったりもしたので、基本的にはキレイに使ってるはず。
そもそもギークハウスをこんなに増やしてしまったのは成り行きの部分が多くて、恵比寿をやめるときに荷物多すぎてすぐに大きい家が見つからず、秋葉原と新宿2に分裂して数が増えたとかもある。経営面は、ギークハウスを初めて以来私の貯金はマイナスの一途をたどっているので健全とは言い難い。増えてるから投資分も考えればトントン…なのか。たくさん運営しているので儲かってると誤解させてしまうのが申し訳ないけど、他のオーナーに聞いてもそんなに儲かる商売ではないので、商売目的でギークハウスをやるのはあまりオススメできない。
それでも増やしてるのは、成り行きと面白さと少しの社会貢献?のため。ギークハウスを作るといろんな面白い人に会えるのが、代えがたい価値だと思ってる。自分は小学3年でプログラミングはじめて、大学も情報系にいって、就職して3年弱で独立し、会社作ったりフリーランスエンジニアでいろんな会社を渡り歩いたりしていたけど、もともと他人がやらないことで、必要そうなことを仕方なく?やる人生を送ってる。プログラミングについては、昔と違ってやる人が増えたから、作りたいものはだいたい誰か作ってくれてるし興味が薄れつつある。IoTとかがまだ少ないのでちょっとやりたいけど。ギークハウスも誰かやってくれるなら、また別のことやりたいなと最近考えてるので、やりたい人は協力するので声かけてください。
複数運営していると、いろんなお話をいただけるようになり、地域おこし兼ねて作ることに成ったのが、大船渡市と王滝村。田舎はみんな期待してなくてギークハウスに過度な期待が寄せられてるけど、東京でできない全てが田舎にある感じなので、もっと増えていって欲しい。
社会貢献と書いたけど、特定の誰かの為とかではなく、ギークハウスという選択肢ができることで、社会?がもっと楽しくなるかなと思ってる。ギークハウスの住民をみてみると、親と不和だったり、一般的な話題?に溶け込めなかったり、そもそもIT話ができる相手が周囲にいなかったなんて人があって、何も悪いことをしてないけど、不利益を得てる人がそこそこいる。ギークハウスは保証人がいらないところが多いし、オタク的な話、ネット、IT的な話は多くの住民がついてこられるしで、話が盛り上がって深夜に及ぶこともよくある。だから行き場が無いと思ってる人は一度来てみてほしい。たぶん今いる周囲よりちょっと理解してくれる人が多いと思う。何より好奇心が強い人がいるので、いろんなことをやるし、眉をひそめる人もいるけど、悪いことをしてる時以外は暖かく見守るか、助言してほしい。
ギークハウス@夕張のクラウドファンドが昨日から募集始まったけど、北海道初のギークハウス。札幌から遠すぎるわけじゃないけど、破綻自治体の夕張ってことで、どうなるかはいろいろ楽しみなところ。
ギークハウス沖縄も春に活動を終えたけど、最近、新宿の住民が沖縄に移住してリビルドしようとしてるのでそっちも期待してる。ギークハウスはFBグループがあるせいなのか、距離は遠くても情報で繋がってるので、遊びに行くのが楽しい。遊びに行ける場所が増えるとさらに楽しいので、とりあえず全都道府県にギークハウスができてほしいと思ってる。ギークハウスに求める条件は自分としては一つで
「高速なネット回線があること」
これに尽きると思ってる。家が古いとか汚いとかは割りとどうでもいいし、むしろ問題解決が好きな人が多いので問題解決する権限さえ与えてくれるならそれが一番ありがたい。
ギークハウス@夕張になる予定の家
海外だとギークハウスに似たコミュニティがHakcerSpaceにあたるっぽくて、そっちは住居じゃなくコワーキングスペース的なものだけど、遊びに行ってみると歓迎してくれるし、似たような人種がいるのでやっぱり落ち着く。airbnbなどでうちに滞在した海外ギークが
「自分の国にも作りたい!」
的なことをリップ・サービスで行ってくれるのでそのうち誰かが本当に作ってくれるのを心待ちにしてる。
今後は地方を中心に増やしていきたいのだけど、常駐する人が少ないのが悩みでもあるので、気軽に遊びに行ったり数ヶ月住んだりして楽しんでくれるとすごく助かる。これを一歩すすめて、ギークハウスで引きこもってくれる人でもいればいいなと、ニートのインターンを最近は募集したりしてみてるけど、冗談と思われてるのか紹介されることも殆ど無いので、実家から出てみたい人とか、暇な人がいれば紹介してください。
来年もまた3軒くらい増やせるといいんだけど。とりあえずはいろんな人に来てみてほしい。
明日はギークハウス中目黒の ymonymon さん。